飲み会が苦痛な繊細さんへ。おかしくないと言える理由と心がラクになる工夫3つ

飲み会に疲れた繊細さんへ向けた、穏やかな表情の女性の水彩イラスト 職場の人間関係

スマホに届いた、歓迎会の案内。見た瞬間、胃がきゅっと重くなる。 まだ何日も先の予定なのに、もう気が重い。

楽しい席のはずなのに、どうして自分はこんなに憂うつなんだろう。「楽しめない自分は、協調性がないのかな」「みんな平気そうなのに、私だけ?」。そんなふうに、自分を責めていませんか。

こんにちは、ワカボンです。私自身もHSP(繊細さん)の当事者で、福祉の仕事を20年以上しています。実は私も飲み会が本当に苦手で、会場の30分前に着いてはカフェで時間を潰してきた一人です。

この記事では、なぜ繊細さんが飲み会でこんなに消耗するのか、その理由と、心が少しラクになる工夫を3つお伝えします。

先に、いちばん大事な結論を。飲み会が苦痛なのは、あなたの欠陥でも、わがままでもありません。 受け取る刺激の量と、まわりへの気配りの量が、人より多いだけ。そして、我慢し続けなくて、大丈夫です。

飲み会の、いったい何がこんなにしんどいのか

居酒屋の飲み会で、愛想笑いをしながら気を張っている繊細さんの女性のイラスト

飲み会が近づくと、当日を待たずに、もう消耗が始まっています。

案内のLINEが来た瞬間、胃がきゅっと重くなる。 「行きたくないな」「でも断ったら角が立つかな」。その日から、頭のどこかにずっと飲み会が居座って、なんとなく気が晴れない日が続く。幹事なんて任された日には、当日までの毎日が、もう憂うつです。

私自身の話をします。私は飲み会の日、会場の30分前には着いてしまうタイプでした。

でも早く着いても、間が持たない。近くのマックやドトールで時間を潰しながら、イヤホンで音楽を聴く。なのに頭の中は飲み会のことでいっぱいで、ちっとも休まらない。「誰と同じ席になるかな」「あの人、来てないといいな」と、始まる前からずっと考えている。

いざ入るときも、入り口に人がいないタイミングを見計らって、目を合わさずにそっと入る。

席に着いてからも、気は休まりません。正面の人との距離が中途半端で、目は合うのに話しにくい。 誰かがお酌に立てば、自分も立って、簡単な挨拶だけ交わす。隣のテーブルが盛り上がっていると、「こっちも盛り上げなきゃ」と、勝手にプレッシャーを感じる。

つまり、飲み会のあいだじゅう、気配りのセンサーがフル稼働しているんです。

聞き役に回って、相手の話にうなずいて、場の空気を読んで、みんなのグラスの残量まで気にして。楽しんでいるというより、ずっと「気を配る仕事」をしている感覚。

そして、家に着いた瞬間。どっと疲れが押し寄せて、着替えることもできず、しばらく動けなくなる。「ああ、やっぱり行かなければよかった」。そんな夜を、何度も過ごしてきました。

人によっては、メイクも落とさずベッドに倒れ込んで、「こんなに疲れるの、私だけ?」とスマホで検索してしまう夜もあるかもしれません。これ、あなたにも、心当たりがありませんか。

モモさん
モモさん

楽しそうにしてる同僚を見ると、自分だけおかしいのかなって…

ワカボン
ワカボン

おかしくないですよ。受け取ってる情報の量が、みんなと違うだけなんです🐸

なぜ繊細さんは、飲み会で人一倍消耗するのか

居酒屋の音や光やにおいの刺激を受けすぎて、ぐったり消耗している繊細さんの女性のイラスト

先に、はっきりお伝えします。飲み会が苦痛なのは、あなたの意志が弱いからでも、性格が暗いからでもありません。繊細さん(HSP)の「刺激の受け取り方」が、人より深いからです。理由は大きく3つあります。

理由1:受け取る刺激の量が、そもそも多い

居酒屋を思い浮かべてください。

大きな話し声、笑い声、店員さんの声、BGM。明るい照明、料理や煙のにおい、お酒のにおい。人との距離も近い。繊細さんは、この一つひとつを、人より何倍も濃く受け取ってしまいます。

普通の人が「にぎやかだね」で済ませる環境が、繊細さんには刺激の洪水。そこに座っているだけで、体力がどんどん削られていくんです。

理由2:その場の全員の表情を、読み続けてしまう

繊細さんは、まわりの人の気持ちを、無意識にキャッチします。

「あの人、退屈してないかな」「今の発言、変じゃなかったかな」「話に入れてない人がいる、気にかけなきゃ」。テーブルの全員の表情や空気を、飲み会のあいだじゅうずっとスキャンし続けている。

さっきの私の話のように、聞き役に回って、うなずいて、グラスの残量まで気にして。楽しんでいるというより、ずっと気配りという“仕事”をしている。これで疲れないほうが、おかしいんです。

理由3:「断るかどうか」にも、エネルギーを使っている

しかも繊細さんは、飲み会そのものだけでなく、参加を決める段階から消耗しています。

「行きたくない、でも断ったら感じ悪いかな」「時短勤務なのに、参加しないと悪く思われる?」「幹事なのに乗り気じゃないなんて、言えない」。行くか断るかを何度も頭の中でシミュレーションして、その決断だけで、もうぐったり。

だから、覚えておいてほしいんです。飲み会を楽しめない=協調性がない、ではありません。 あなたは、人よりたくさんの刺激を受け取り、人一倍まわりに気を配れる人。それは短所ではなく、むしろやさしさと繊細さの証拠です。

モモさん
モモさん

気を使ってるつもりなかったのに、そんなに疲れる理由がわかった気がする

ワカボン
ワカボン

無意識にずっと気配りしてるんです。疲れて当たり前ですよ

飲み会が少しラクになる、3つの工夫

飲み会がラクになる工夫3つ(参加日を軽く・二択にしない・断っていい)をまとめた水彩インフォグラフィック

「じゃあ、どうすればいいの?」への答えです。無理に飲み会を好きになる必要はありません。しんどさを、少しだけ軽くする工夫を3つ紹介します。全部やらなくて大丈夫。できそうなものから、ひとつだけでも十分です。

工夫1:参加する日を、できるだけ軽くする

「行く」と決めた日は、自分がラクでいられる小さな準備をしておきます。

  • 席を選べるなら、負担の少ない場所へ。長机なら端や壁ぎわが、視線が一方向で済んでラク。円卓で「端」がないときは、「気のラクな人のとなり」や「出入り口に近い席」を。苦手な人の正面を避けるだけでも、目が合い続ける負担が減ります。
  • 「話さなきゃ」を手放して、“質問役”になる。繊細さんは「自分から面白い話をしなきゃ」とプレッシャーを感じがち。でも、その必要はありません。「そうなんですね、それでどうなったんですか?」と質問すれば、相手が気持ちよく話してくれて、会話は勝手に続きます。自分が話し手にならなくていいぶんラクだし、繊細さんの「聞き上手」という長所も活かせます。
  • 帰る時間を、最初に伝えておく。「今日は○時で失礼しますね」と早めに言っておくと、途中で抜けやすいし、二次会も自然に断れます。先に宣言しておくのが、いちばん角が立たない方法です。

工夫2:「全部出る」か「全部断る」の、二択で考えない

繊細さんは、まじめだからこそ「誘われたら行かなきゃ」と、つい全部に出ようとします。逆に、疲れ果てると「もう全部断りたい」と極端に振れることも。

でも、大事なのは「出る飲み会を、自分で選ぶ」という考え方です。

  • 歓迎会や送別会など、節目の会だけ出て、ふだんの飲み会は控える
  • 1次会だけ出て、2次会は帰る
  • 「3回に1回だけ顔を出す」と、自分の中でルールを決めておく

全部に付き合う必要も、全部を断つ必要もありません。「これは出る」「これはパス」を自分で選べるようになると、飲み会に振り回される感覚が、ぐっと減ります。 出ると決めた会も、「自分で選んだ」と思えると、少し気持ちが軽くなります。

工夫3:そもそも「断っていい」と、自分に許可する

最後は、工夫というより、心の持ち方です。

「断ったら、嫌われるかな」「付き合いが悪いと思われるかな」。繊細さんは、そう考えて断れないことが多いですよね。でも、思い出してほしいんです。

飲み会を断ることは、その人を嫌っているわけでも、裏切っているわけでもありません。 ただ「今日は、自分の体力を守る」という、それだけの選択です。

一度や二度、飲み会を断ったくらいで離れていく関係なら、それは飲み会でつながっていただけの関係。あなたが無理をして保つ必要のあるものではありません。あなたには、自分を守るために「行かない」を選ぶ権利が、ちゃんとあります。

(具体的な断り方のコツは、また別の記事でくわしくお話ししますね。まずは「断っていいんだ」と、自分に許してあげることから。)

それでも、毎回つらいなら

飲み会のあと、月明かりの夜道をひとり歩いてホッとしている女性のイラスト

工夫をしても、やっぱり飲み会のたびに気持ちが重い。そんな日が続くなら、一人で抱え込まずに、誰かに話を聞いてもらうのも、ひとつの方法です。

そう言うと、こんな気持ちがよぎるかもしれません。

「飲み会が嫌なくらいで、相談なんて大げさじゃない?」

そんなことはありません。深刻な悩みじゃなくていいんです。「ちょっと聞いてほしいだけ」で、頼っていい。 小さなモヤモヤのうちに話すことは、大げさでも、わがままでもありません。

「何を話せばいいか、自分でもまとまっていない」

まとまっていないまま、話して大丈夫です。「なんかしんどくて」からで、いい。 話しているうちに、自分でも気づいていなかった気持ちが、ぽろっと出てくることもあります。整理してから、なんて思わなくていいんです。

「誰かに知られたら、気まずい」

今は、名前を出さずに、匿名で気持ちを話せる方法もあります。職場の人にも、家族にも知られずに、安心して吐き出せる場所があります。

一人でぐるぐる考えていると、「こんなことで悩む自分はダメだ」と、どんどん自分を責めてしまいます。でも、誰かに話すと、それだけで気持ちが軽くなることがある。あなたのしんどさは、ちゃんと「話していいこと」なんです。

毎回どうしてもつらいなら、あなたが弱いからではありません。ひとりで抱えこまず、誰かに話を聞いてもらう選択肢もあります。

HSP・繊細さんのカウンセリングという選択肢。誰かに話を聞いてほしい夜に
HSP・繊細さんがカウンセリングを頼るときに知っておきたいことを、選び方の5つの基準から料金の目安、当日の流れまで解説。「相談するほどじゃない」と我慢してしまう繊細さんへ、専門家に頼るのは弱さじゃないという話です。

まとめ:飲み会が苦手なあなたは、おかしくない

家で穏やかにくつろぎ、自分を受け入れるようにやさしく微笑む繊細さんの女性のイラスト

最後に、もう一度だけお伝えします。

飲み会が苦痛なのは、あなたの欠陥でも、協調性のなさでもありません。 人よりたくさんの刺激を受け取って、まわりに深く気を配れる。その繊細さがあるからこそ、人一倍疲れてしまう。ただ、それだけのことなんです。

  • 参加する日を軽くする(端や気のラクな席・質問役になる・帰る時間を先に伝える)
  • 「全部出る/全部断る」の二択にしない(出る飲み会を、自分で選ぶ)
  • 「断っていい」と、自分に許可する(断るのは、裏切りじゃない)

全部やらなくて大丈夫。ひとつでも「これならできそう」と思えたら、それで十分です。そして、それでもつらいときは、一人で抱えずに、誰かに話してみてください。

「楽しそうにしているみんなの中で、自分だけが浮いている気がする」。そう感じてきたかもしれません。でも、あなたは浮いているんじゃなくて、人よりずっと深く、まわりを感じ取っているだけ。

無理に飲み会を好きにならなくていい。みんなと同じように振る舞えなくていい。あなたは、あなたのままで大丈夫です。 自分の心と体を守りながら、あなたのペースで、働いていきましょう。

モモさん
モモさん

行かない、を選んでもいいんだね

ワカボン
ワカボン

もちろん。自分を守るための、立派な選択です🐸

あわせて読みたい

繊細さんは合わない人と距離を置いていい。罪悪感なく離れる考え方と方法
合わない人と距離を置きたいけど、罪悪感がある繊細さんへ。なぜHSPは合わない人に疲れるのか、その理由と、罪悪感なく距離を置く考え方・具体的な方法を、体験談とともに紹介します。
気を使いすぎて疲れた日の、繊細さんの回復のしかた
懇親会や会議のあと、ぐったりして動けなくなる。繊細さんの消耗の理由と、帰宅後の回復のしかた3つを体験談とともに。

深呼吸して、私は今日もここにいる。💚

この記事を書いた人
ワカボン

40代・福祉の仕事をしている繊細さん(HSP)です。人の気持ちや空気を受け取りすぎて、夜ぐるぐる考えて眠れなくなる自分と向き合いながら、同じ繊細さんが少し楽になるヒントを、自分の体験をもとに書いています。

ワカボンをフォローする
職場の人間関係
ワカボンをフォローする
ひと呼吸、ここにいて。

コメント

タイトルとURLをコピーしました